Pass away
ばあちゃんシスターズの一人が逝った。
うちの親父が幼い頃、よく世話になっていた。
意中の男性と出かけるための口実として幼い親父を頻繁に連れ出していた、という話は親族のなかでは鉄板のエピソードである。
それだけに、親父にも思うところがあるようでしんみりとしている。目に見えて悲しんでいるという様子ではないが、不思議と見ていられない。
ここ何年かは隣の区の総合病院に入院していた。東京に暮らす息子夫婦が面倒をみやすいようにということであった。
年を重ねるにつれ呆けが進行し、最期にはもうよくわからなくなってしまっていたようだ。
危篤の連絡が入ってからすぐ、二時間もしないで逝った。苦しまずに逝けたのであろうか。
そうであったことを願う。