Lesson

読んだり、飲んだり

5th未見

なんだかんだいって、いつも現地には行かず、感想なんかを漁りながらBlu-rayの出来に思いをはせているのだが、果たして今回はどうだったのか?

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 現時点で1日目の感想や公演内容がぼちぼち出回っている。なるほど、今回はM@STER SPARKLEシリーズのソロ曲を中心に、ミリシタでプレイ可能なユニット曲で公演を構成したらしい。

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 衣装もミリシタのデフォルト衣装「シャイニートリニティ」をもとにデザインしてある様子。ライブ中の画像からレーザーや照明、バックスクリーンの映像など舞台効果もミリシタに寄せたかたち。

永吉昴役の斉藤佑圭さんを除く、38名のキャストが半数の19名ずつ2daysに分かれた構成で、それぞれのソロ曲19曲+ユニット曲12曲+全体曲3曲+周年ライブ恒例の新全体曲1曲、計35曲のセットリスト。

当然これらは、出演者情報が公開された段階で観客側にかなりの確度をもって想定されていたと思う。

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 基幹がコンシューマーゲーム(スタートはアーケード)であり、かつ経過年数がもうすでに10年を超え、総楽曲数が膨大な数となっているのに加えて、キャスト数の少なさからくる公演構成上、直前のリリース曲以外の楽曲も歌う機会の多い765ASを別にすれば、そのほかのアイマスライブのセットリストを予想することはおそらく容易い。

特に今回、ミリオンライブは、かねてより注力してきたミリシタのリリースから1周年を迎え、また、それと並行してキャラクターの原点回帰を目指したCDシリーズであるM@STER SPARKLEを打ち出してきていた。当然、この2つの要素が中心となった構成になるだろう。

そして、今回の5thはこの予想をほとんど裏切らないかたちで行われたようだ。ここをどう評価するかが今回のライブの肝だったのだろうなと、行っていないにもかかわらず想像してみる。

もしかしたら、それなりの数のライブを見てきた人は物足りなさを感じたかもしれない。

新規ソロ曲は、新しいものに対するワクワク感のようなものを提供する一方、それまでのバックボーンがほとんどないためにライブでのドラマ性は薄い(受け手のなかのキャラクター像と楽曲が表現するものとの距離感によってはドラマチックになることはあるだろう)。これまでのライブではこうだったけれど、今回はこういう風に変わっていて、そこにキャラクターとしての成長だったり、送り手側の思いだったりを感じるという部分はやはり少なくならざるを得ない(そもそもが原点回帰的な楽曲のためキャラクターの成長という要素は薄い?)。ソロである以上、組み合わせの妙といったものもない。その楽曲と舞台上のパフォーマンスが、キャラクターの新たな一面をどれだけ表現することができるか、あるいはそれを受け手がどれくらい感じ取ることができるかといったところに面白さは集約される。

キャストのパフォーマンスや舞台演出の素晴らしさをもうすでにかなりの深度で認めてしまっている人にとっては、キャストの歌やダンス、キャラクターの表現力が凄まじいことや舞台効果がキャラクターと調和しているということは、あえて強く言えば前提条件のようになっていて、そこにドラマ性が加わることで感動や面白さが醸成される。そしてこのドラマ性は4thでひとつの極に達してしまっている。

もちろん今回のライブにも劇場版アニメ・2014SSAの合同ライブという大きなバックボーンが存在し、それにまつわるドラマが展開したとは思う。しかし、そのバックボーンを背負えたキャラクターの数は限定的で、そこまで重点的に焦点化されることはなかっただろう。

では、今回のライブにドラマはなかったかといえばそうではなく、ミリシタリリースと共にミリオンライブに加わった白石紬と桜守歌織、そしてキャストの仕事復帰に合わせてミリシタに合流した田中琴葉、これらのキャラクターがそれを一身に背負ったといえる。セットリストでの位置からみても間違いないと思う。担当に対する贔屓を差し引けば、多分ここがいちばん泣けるはず。

ソロを新規で固めた分、ユニット曲は新規を除けばミリシタ採用のいわゆる定番曲で、安心して盛り上がれる反面、ネガティブにとらえれば、またかと思う選曲になっているといえなくもない。

こう考えると、もちろん捉え方次第な部分は大きいけれど(声優ライブコンテンツとしてみれば関係性の宝庫であって、今回もドラマに溢れていたに違いないし、そういった捉え方はアイマスライブとは切り離せないだろう)、「これまで」のミリオンが見せてきたドラマ性に期待をかけた人ほど、その要素においては肩透かしをくった可能性が高い。逆に、そういったドラマ性を意識せずに舞台上のパフォーマンスを楽しんだ人ほど満足度は高いだろうと思う。つまり今回のライブはミリシタから加わった新規層をメインに「これから」のミリオンを打ち出していくライブになっていたのではないだろうか。言ってみれば2度目の1st公演である。

言うまでもなくそうした二面性はこれまでのアイマスライブにもあったはずで、実際はどれだけ受け手のなかでハードルが上がっていてもそれを様々なかたちで飛び越えていくパフォーマンスを前にして、キャラクターへの思い入れが次々に去来し、何気ない一挙手一投足にドラマを見出してしまったりするのだが。

今回もそんな観客をPたらしめてくれるような舞台が繰り広げられていたのだろうか?益体もないことを考えてみたところで、結局は気になるというだけだ。