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アカデミー賞受賞の余波から近所の映画館でリバイバル上映が決まったようなので、「マッドマックス 怒りのデスロード」を観に行ってきた。公開時には観ることができていなかったので非常にラッキーだった。

3D・IMAX上映で観た。大きなスクリーンと身体にずしりとくる音響がここまで合う映画も少ないだろう。とにかく楽しかった。体験と呼ぶのに相応しかったと思う。

話としてはとてもシンプルで、敵に追われながら行って帰るだけである。もちろん、その合間にはそれぞれの登場人物の思惑や、関係が結ばれる過程が描かれる。ここも楽しい。というのも、登場人物たちがほとんど説明的なセリフを吐かない分、画面のそこかしこに観るべきものが現れるからだ。それをどう観るかという余地がしっかりとあるために二度三度と観たくなる。

アクションもすごい。轟音・爆発にまみれたカーチェイス、肉弾戦に銃撃戦、VFX。山盛りである。飛んでは散っていく派手なスタントの嵐に思わず笑ってしまうほどだ。個人的にはマックスとフュリオサが出会う場面の鎖を使った格闘戦がお気に入りである。この映画のアクションはとにかく過剰だ。殴るときはしつこく何度も殴る、爆弾を投げるときは何個も投げる、車がやられれば一回転する。これが絶え間なく続くのだから、否が応でもテンションは上がってしまう。

世界観や、ストーリーライン、人物設定がしっかりとしているためにこの映画を考える方策はいくらでもある。例えばベタなところで、これはマックスをはじめとした登場人物たちが再生していく物語であるなどとわかったようなことを言うこともできるし、フュリオサや花嫁たちに注目してフェミニズム的にみていくこともできるかもしれない。今回は全編の勢いを存分に楽しんでしまったので、こういった考えは浮かばなかったが。

イモータン・ジョーら敵のボスたちの死に様がことごとくあっけないのが、現状では多少不満な点である。あくまで、それまでの派手なアクションと比べての相対的な印象ではあるが。

R15ということだったらしいが、たいしてショッキングな暴力描写もなかった気がするので、どんどん子どもにも観せていったらいいのにと思った。中学生がこれを映画館で観られないのはもったいない。割りと多くの人生を狂わせることができそうなのに。

ニュークスにもう一度会いたいのでDVDでも買おうと思う。