Lesson

読んだり、飲んだり

いつだったか夏

河川敷から橋をひとつ渡った先に小さな動物園があったのを、忘れていたつもりはなくて、小さな私がひとつしか歳の変わらない従弟の隣で、どこか不機嫌そうな顔をこちらに向けている写真が、いまも祖父母の家の居間に飾られているのを、それでもやはり思い出すというほかない懐かしさに追われながら歩いていた。きっといつだったかと同じくらい広く感じた。柵ばかりが低くなっていた。