教養とか
AppleBooksにタダで入っているのでなんとなく、電車の中で。
ひとりの女性の生まれから語られる。
じゃあ、伊助ときて、薩摩、当然、龍馬とくるだろう、と読んでいるときには気付かなかった。
ほとんど終わりに近づくまで、あの有名な船宿の女将と知らず読んでいた。
驚異的な無知。
かたまるや散るや蛍の川の上
これは漱石の句。ググったやつ。
疲れ果て眠りかねつつ夜半に酌ぐこのウヰスキーは鼻を焼くなり
これは俺の歌。嘘、若山牧水。先輩。
酔っぱらっていてまとまらない。馬鹿はしんどいって話。
「黒い雨」は井伏鱒二。先輩。原題はたしか違った。
裁判の行方を追う。
いつだったか原爆を題材にした学生演劇をやったこともあった。
俺は幼い妹を残して兵隊にとられる兄貴の役だった。
兄が戦地に向かうのを嫌がって押し入れに閉じこもる妹に、「出てこないと屁をかける」とふすまに向かって尻を突き出す格好をしたのをいまも覚えている。
セットなんて上等なものもないから、そこにふすまがある体で、うずくまった同級生の鼻先に尻を突き出していた。たしかに嫌だったはずだが、なぜだか真剣にやった。その場面のすぐ後に南方で死んだ。
なんの話だったか。
青来有一の「爆心」。もう一度読もうか。
いや、俺が?
この時期のニュースを見るたびに。
広島の忌や浮袋砂まみれ